酒で凶暴化する赤ずきんが戦う,JRPG的ローグライク
2015年12月03日 10:24
本作の舞台となるのは,宇宙を漂う巨大なカメの背中に広がるファンタジー世界「Asura」。Robinをはじめとしたゲーム中に登場するキャラクターは,日本のアニメとアメコミのテイストをミックスさせたようなデザインになっている。戦闘や会話の状況に合わせて,画面に表示されているRobinの表情が変わっていくところや,トップダウン視点の2Dグラフィックスに,古き良きJRPGの雰囲気を感じ取れるはずだ。
マップがゲーム開始時にランダム生成されたり,プレイヤーと敵が交互に行動するターン制が採用されていたりと,基本的なシステムは,オーソドックスなローグライクゲームと同様だ。「風来のシレン」「トルネコの大冒険」といった作品を想像してもらえば分かりやすいだろう。
Dragon Fin Soup
ダメージを食らうと顔をしかめ,後述の「怒りモード」に入ると瞳が燃え上がるなど,表情の変化が楽しい。不気味だがどこか愛嬌のある“キモカワ系”モンスター達と相まって,独特の雰囲気を醸し出している
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本作にはいくつかのモードが用意されているが,中でも特徴的なのが「ストーリーモード」だ。ここでは,Robinが失った記憶を取り戻すべく,怪物退治や護衛などといったクエストをこなしていくという物語が展開される。快活でタフな少女に見えるロビンだが,どこか危なっかしさが感じられて,実際,酒を飲み過ぎたり,攻撃を続けて受けたりすると,怒りのあまりプレイヤーの手を離れて暴走してしまうのだ。
「酒好きの少女」というのは確かに突飛な設定だが,「記憶喪失」「二面性」「暴走」といったキーワードで捉えれば,ここにもJRPGへのリスペクトが垣間見られる。“今度日本で発売される新作RPGのヒロイン”といわれても,それほど違和感はないと感じられた。
そんなRobinが活躍するストーリーも気になるところではあるが,このモード最大の特徴は「死んでもロードすればやり直しがきく」ことにある。ローグライクゲームでは,一度死ぬとアイテムや所持金などがすべてパーになって再スタートするしかない「パーマデス(永遠の死)」がお約束だが,このモードではセーブしたときの状態に何度でも戻れるのだ。一般的なRPGに近いプレイ感なので,ローグライク初心者はここからプレイするのがいいだろう。
ストーリー冒頭には,これまたJRPGの定番,強制負けイベントが。ここでは記憶を失う前のRobinが登場する
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プロフィールを読むと,記憶を失ってからのRobinには血なまぐさい出来事がいろいろとあったようだ
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物語が進むにつれ,Robinの過去に秘められた謎が明らかになっていく
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本作にはもちろん,死んだらすべてを失ってしまう,ローグライクゲーム本来の緊張感が楽しめるモードも用意されている。それが「サバイバルモード」と「ラビリンスモード」だ。サバイバルモードはモンスターを倒した数,ラビリンスモードは踏破したエリアの広さがスコアに大きく影響してくるのだが,この2つのモードでは,キャラクターのレベルは1,かつ標準装備のスタートで,一度死ぬとゲーム進行がすべて失われてしまう(セーブやロードは可能だが,死ぬとデータが削除される)。
迷路の構造や棲息するモンスター,アイテム配置はランダムなので,テクニックに加えて運も必要だ。開始直後にモンスターの群れと遭遇し,袋叩きにされて死んだと思ったら,次のプレイでは役立つアイテムが次々に入手できて楽に進めた……といった揺らぎが実にローグライクらしい。ストーリーモードよりレベルアップやスキル習得のテンポが早いのも,プレイしていて心地いいところだ。
-> リネージュ RMT